まだ使ってる?無料Wi-Fiスポットの“危険な落とし穴”と会社でできる安全対策

「うちの社員、外出先で作業をすることが増えてきた」「カフェや駅、ホテルの無料Wi-Fiを普通に使っているけど、何か問題あるの?」

こんなご相談が最近、中小企業の経営者の方から増えています。
無料Wi-Fiは確かに便利ですが、使い方によっては“会社の情報が丸見え”になってしまうことも。

特に最近は「スマホもパソコンも、どこでもネットにつながるのが当たり前」の時代。しかし、その“便利さ”の裏側には、実は多くの危険が潜んでいることをご存じでしょうか?

この記事では、無料Wi-Fiスポットの危険性と、
中小企業でもすぐできる具体的な安全対策について、事例や実際の相談例も交えながら、わかりやすくご紹介します。

無料Wi-Fiの“落とし穴”を知らずに使っていませんか?

まず最初に、「無料Wi-Fiが危ない」とはよく聞くけど、実際にどんなリスクがあるのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。

無料Wi-Fiで起きる“よくあるトラブル”

  • 情報が盗み見られる

    カフェや駅などのWi-Fiは誰でもアクセスできるため、同じネットワーク内にいる第三者が、あなたの通信内容(メールやファイルなど)を簡単に盗み見ることができます。
  • 偽Wi-Fiに接続してしまう

    「Free_Wi-Fi」や「Cafe_Wi-Fi」など、本物そっくりの偽のアクセスポイントが設置されていることも。そこに接続すると、入力した情報がすべて盗まれてしまう危険があります。
  • ウイルスやマルウェア感染

    悪意のあるネットワーク経由で、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染してしまうリスクも。

これらは、ITに詳しくない方でも“簡単に巻き込まれてしまう”身近なリスクです。

実際にあった相談事例

たとえば「出張先のカフェでメールを送ったら、数日後に顧客情報が漏れてしまった」「外出中に無料Wi-Fiで作業していたら、いつの間にかパスワードが盗まれていた」というトラブルは、近年珍しい話ではありません。

特に中小企業では「社員のITリテラシー教育までは手が回らない」「パソコンやスマホの使い方も自己流」というケースが多く、リスクが“他人事”になってしまいがちです。

なぜ無料Wi-Fiが“危ない”のか?初心者でもわかる理由

ここからは、難しい専門用語を使わずに「なぜ無料Wi-Fiが危ないのか」をご説明します。

“誰でも”つなげる=“誰でも”中身が見える

会社のネットワークは、社員や特定の人しか入れません。ところが無料Wi-Fiは、
パスワードも共通、利用者制限もなし、その場にいる全員がアクセスできます。つまり、
あなたのデータも「その場にいる全員」に公開されているのと同じ状態です。

通信が「暗号化」されていないWi-Fiも多い

Wi-Fiには「暗号化」という、内容を見えなくする仕組みがありますが、無料Wi-Fiでは“暗号化なし”や“簡単な暗号化”しかされていない場合が多いのが実情です。その場合、
通信内容が丸見えになってしまうことも。

“偽物Wi-Fi”の見分けがつかない

カフェやホテル、駅などで「それっぽい」名前のWi-Fiが並んでいることがあります。本物と見分けがつきにくく、つい“偽物”につないでしまいがちです。悪意ある人が“罠”として設置することも。

無料Wi-Fiが引き起こす“会社の危機”

無料Wi-Fiの危険は「個人の問題」で済みません。会社で起きると、こんな深刻なトラブルにつながります。

  • 顧客情報・機密データの漏えい
  • なりすましメールや、取引先への不正連絡
  • 社内システムへのウイルス感染
  • 金銭的な被害(サイバー攻撃による取引詐欺や不正送金など)

中小企業が一度でもこうした被害に遭うと、「会社の信頼」や「取引の継続」にも大きな影響が出ます。実際に、
中小企業の情報漏えい事故の多くが「ちょっとした油断」や「基本ルールの徹底不足」から起きているのです。

“やってはいけない”無料Wi-Fiの使い方・やりがちなNG例

無料Wi-Fi利用で「絶対にやってはいけない」使い方と、その理由をまとめます。

  • 仕事のメール送信・添付ファイルのやり取り(重要書類を送信)
  • クラウドストレージや社内サーバーへのアクセス
  • ネットバンキングやWebサービスへのログイン操作
  • パスワードの入力やID・パスワードの使い回し

上記のような作業は、無料Wi-Fi上で絶対に避けてください。たとえ「一瞬だけ」「自分は大丈夫」と思っても、悪意ある第三者にすべて“のぞき見”される可能性があります。

会社としてできる“無料Wi-Fi対策”5つのポイント

では、中小企業が「無料Wi-Fiトラブル」を防ぐためにできる対策は何でしょうか?

社員教育とルール作り

まず、「業務中は無料Wi-Fiを使わない」「外出先のネット接続は原則スマホのテザリングや会社が指定した手段のみ」という基本ルールを設け、社員にも繰り返し周知しましょう。

VPNの導入

どうしても外出先のWi-Fiを使う必要がある場合は、「VPN(安全な仮想回線)」を導入することで通信内容の盗み見を防ぐことができます。VPNの利用方法も、難しくありません。「VPN 使い方」で検索すれば、実際の画面を見ながら設定できるものも多くあります。

会社貸与スマホ・パソコンの設定

「公私混同」を防ぐため、会社から貸与したスマホ・PCにはセキュリティソフトやリモートロック機能、VPNアプリなどをあらかじめ導入しておきましょう。設定はITサポート会社に依頼するのもおすすめです。

“持ち出し禁止データ”の明確化

営業先や外出先では「このファイルは絶対に社外で開かない」といった明確なルールを設けましょう。大事な書類は“持ち出さない”・“社内でしか開けない”設定にすることもできます。

トラブル時の連絡先・対応フローを用意

万が一「パソコンがウイルス感染したかも」「IDが盗まれたかも」と感じた場合、すぐに連絡できる窓口や、初期対応の流れを全社員に共有しておきましょう。

補足

「うちにはIT担当者がいない」という場合も、
外部のITサポート会社に相談すれば、自社に合った安全対策やマニュアル作りをサポートしてもらえます。

「実際に何をすればいい?」会社で始める“今すぐできる安全対策”チェックリスト

「対策は必要だとわかったけど、結局何から手をつければいいの?」という経営者の方へ、今すぐできる“現実的な行動リスト”をまとめました。

  • 会社のWi-Fi以外は業務利用禁止を周知する
  • 外出時はスマホのテザリングか、モバイルWi-Fi(自社契約品)を使う
  • VPNサービス(有料)を導入・利用ルールを作る
  • 全社員に「無料Wi-Fiの危険性」について簡単な説明会・資料配布をする
  • パソコン・スマホのセキュリティ設定を見直す
  • 「困ったらすぐ連絡できる窓口(担当者やITサポート会社)」を周知

最初は難しく考えず、「できることから1つずつ」取り組めばOKです。

無料Wi-Fiトラブルを防ぐ“社内ルール”の作り方と運用のコツ

「ルールを作っても守られない…」そんな声も多いのですが、実は社内ルールは作っただけでは意味がありません。運用で大切なポイントは以下です。

  • 「なぜダメなのか」を繰り返し説明する(怖がらせるのではなく、“会社とお客様を守るため”という観点で)
  • 社員の身近な例やニュースを取り上げて、リアルなリスクを実感してもらう
  • 年1回の見直し・再確認の機会を作る
  • ルールを守らせるための“声かけ”や“ミニ勉強会”を定期的に行う

これらのポイントを押さえるだけで、「ルールが形骸化して誰も守らない」という失敗を防ぎやすくなります。

【事例紹介】テレワーク時代の無料Wi-Fiトラブルとその対策

コロナ以降、テレワークやリモートワークが増え、「自宅以外の場所で仕事する」ケースが増加しました。

たとえば、ある士業事務所様では「カフェのWi-Fiで仕事中に書類を送ったところ、その後メールアカウントが乗っ取られ、クライアントへの“なりすましメール”が大量送信される」という被害が発生。

原因は、無料Wi-Fiの利用時に通信内容を盗み見られ、メールアカウントのID・パスワードが抜き取られたことでした。
この事務所様は、その後「VPNの全社員導入」「テザリングの推奨」「重要データ持ち出し禁止」の3つの社内ルールを策定し、再発防止につなげています。

無料Wi-Fiを使うなら“最低限これだけは”守って

どうしても無料Wi-Fiを使わざるを得ない場合は、以下のポイントを守るだけでもリスクを大きく減らせます。

  1. VPNを利用する(アプリやサービスを入れて使うだけでOK)
  2. パスワードやIDの入力は絶対に避ける
  3. 重要書類や顧客データのやり取りは絶対に行わない
  4. 「不審なWi-Fi」には絶対につながない
  5. 作業後はWi-Fiの自動接続を必ずOFFにする

「これぐらいなら大丈夫」は一番危険です。自分だけでなく、
会社やお客様を守るために意識してください。

まとめ|“無料Wi-Fi”の危険は、今すぐ防げる

カフェや駅、ホテルの無料Wi-Fi。ちょっとした仕事の合間に、つい使ってしまいがちですが、
その一瞬の油断が、会社の信頼・お客様の情報・経営そのものに大きなダメージを与えかねません

しかし、難しい専門知識や高額なシステム投資をしなくても、今日からできる対策はたくさんあります。

  • 無料Wi-Fi利用のリスクを全社員に周知する
  • 会社としての明確な利用ルール・禁止事項を作る
  • 必要に応じてVPNやセキュリティ設定を整える
  • トラブル発生時の相談窓口を用意する

これらは“会社の規模”や“ITスキル”に関係なく、どんな企業でも始められる安全対策です。

「何から始めていいかわからない」「ウチの会社に合ったルールを作ってほしい」といったお悩みがあれば、
株式会社テクノリレーションズにぜひご相談ください。ITが苦手な方にもわかりやすく、社内定着までサポートします。