「面接で感じは良かったのに、入社してみたら全然合わなかった…」、「採用して1ヶ月で辞めてしまった…」
中小企業の社長にとって、“人を採る”ことは大きなリスクと責任が伴います。大企業のように何人も採用できるわけではない。だからこそ「この人で本当にいいのか？」と悩むのは当然です。
しかし、面接は短時間。相手も“良く見せよう”とします。結果、感覚だけに頼った採用で失敗するケースも少なくありません。そんなとき、役に立つのが「AI」、特にChatGPTのような生成AIです。
この記事では、ITが苦手な社長でも“今日から試せる”AIの面接活用術をご紹介します。面接の質問例から活用のコツまで、ChatGPTを“壁打ち相手”にする具体的な方法をわかりやすく解説します。
面接にAI？それって本当に現実的？
AI面接と聞くと「ロボットが面接するの？」、「ウチには関係ない話では？」と感じる方も多いかもしれません。しかし、ここで紹介するのは「ChatGPTを使って、社長の思考を整理する」ための活用です。
たとえば、こんな風に使えます。
- 候補者の経歴や応募理由をもとに、面接で深掘りすべきポイントを整理
- 自社に合う人材像をChatGPTに言語化させて質問案を作成
- 面接後のもやもや感を言語化して、判断をクリアにする
これらはすべて無料のChatGPT（無料プラン）で十分対応可能です。
面接前｜AIで“聞くべき質問”を整理する
「とりあえず自己紹介してもらって…」という雑な面接では、本当に知りたいことが聞き出せません。面接前にChatGPTへ以下のように聞いてみましょう：
例：ChatGPTへの指示
「30代・元アパレル営業・転職歴3回の方を面接します。うちの会社は小規模なITサポート業で、顧客との関係づくりが大事な職場です。面接で聞くべき質問は？」
このように指示を出すと、ChatGPTは候補者の背景から“企業との相性を測る質問”をいくつも提案してくれます。
個人情報の扱いには要注意！
AIを活用する際に注意すべきなのが「入力する情報の範囲」です。実名や住所、過去の勤務先名などは伏せて、「30代・営業職歴あり・転職経験3回」などの匿名化した要素だけで十分にアドバイスが得られますので、
個人情報の入力は、採用する側としての情報管理意識が問われる部分です。社内外を問わず、ChatGPTのような生成AIを使うときは“仮名化・抽象化”を意識しましょう。
面接中｜AIを“その場で使わない”のがポイント
面接中にAIを使うと、相手に不信感を与えるリスクもあります。AIの出番は、事前と事後。その場は「人と人」の会話に集中しましょう。
事前に用意した質問を手元に置きながら、自然な会話で深掘りしていきます。「このあたりはあとでChatGPTに整理してもらおう」と思いながら、気になった点をメモしておくとスムーズです。
面接後｜AIに“もやもや”を整理してもらう
面接後、「なんか引っかかるけど理由がわからない…」というとき、ChatGPTは非常に有効です。面接内容を箇条書きにして、「この内容から、この方が辞めやすそうなポイントや注意点はありますか？」と聞いてみましょう。
AIは過去の膨大な事例から、「こういう背景の人はこういう傾向がある」などを中立的に指摘してくれます。自分の感覚を“言語化”してくれるのがAIの強みです。
採用の最終判断は“人間”がする
当然ですが、最終判断はAIではなく社長ご自身がするものです。AIはあくまで「視点を増やす」「整理を手伝う」役割にとどめましょう。
「この人、ちょっと話がかみ合わなかったな」、「うまく言えないけど、引っかかる」。そんな“感覚”も大事にしつつ、AIの視点を加えることで、採用判断の精度はぐっと上がります。
まとめ｜“孤独な採用”にこそ、AIが力を貸してくれる
中小企業では「採用の相談相手がいない」「人を見る目に自信がない」といった悩みを社長一人で抱えているケースが多くあります。ChatGPTは、その“壁打ち相手”として非常に有効です。
大事なのは、難しいAIツールを導入することではなく、社長の思考を助ける道具として使うこと。
面接は運ではなく、準備と振り返りの質で決まります。「人を採るのが怖い…」と感じている社長こそ、AIを味方につけてください。
