ITインフラエンジニアと“詳しい人”の決定的な差

「社内にパソコンに詳しい人がいるから大丈夫」──そんなふうに思っていませんか?

実はこの考え方が、後々大きなトラブルや業務停滞を生む“落とし穴”になることがあります。 この記事では、ITインフラエンジニアと“パソコンに詳しい人”との違いを、背景・事例・対処法・ツールの観点からわかりやすく整理し、中小企業が本当にITの力を活かすために必要な考え方をご紹介します。

背景。なぜ「詳しい人」に頼りがちなのか?

多くの中小企業では、専任のIT担当者がいません。そのため、社内の“ITに詳しい社員”や“パソコン好きな若手”が、自然とその役割を担っているケースが少なくありません。

「プリンターの設定をしてくれた」「メールの不具合を直してくれた」など、ありがたい存在ではありますが、その一方で以下のような課題も発生しがちです。

  • その人がいないと何もできない(属人化)
  • 自己流の対応が積み重なり、全体の仕組みがぐちゃぐちゃ
  • 本業との両立が難しく、対応が後回しになる

さらに、こうした「詳しい人」がやってくれる対応は、あくまでその場しのぎの応急処置であり、再発防止や全体最適が考慮されていないケースも多く見られます。

こうした状況が続くと、「ITに詳しい人がいるのに、なぜかトラブルが減らない」という悪循環に陥ります。 では、ITインフラエンジニアに任せると何が違うのでしょうか?

事例。「詳しい人」と「ITエンジニア」の対応の違い

ここでは、実際によくあるシーンを2つ取り上げ、対応の違いを比較してみましょう。

ケース1:ネットがつながらない

  • 詳しい人:ルーターを再起動してなんとかつながるようにする
  • ITエンジニア:通信障害の原因(物理/論理、機器/設定/回線)を切り分け、再発防止策を設計

たとえば、営業の真っ最中にインターネットが途切れた場合、詳しい人はまず再起動やケーブル確認を行います。それでつながれば万事解決──のように思えますが、そもそもなぜ切れたのかを調べなければ、再発の恐れがあります。エンジニアは再発を防ぐためにログを確認し、ルーターの設定やネットワーク全体の見直しまで行うのです。

ケース2:ウイルス感染の疑い

  • 詳しい人:ウイルス対策ソフトでスキャンして終わり
  • ITエンジニア:感染経路を調査、全端末の確認、社内ルールの見直し、外部漏洩の報告フローまで対応

ウイルス感染時にスキャンで駆除して終わり、という対応では根本的なリスクは残ったままです。エンジニアは「なぜ侵入を許したのか」「他に感染していないか」「今後どう防ぐか」まで考え、再発防止に取り組みます。違いは「場当たり的」か「構造的・再発防止まで含む」かです。 エンジニアはトラブルを“未来に起きないようにする”ことに価値を置きます。

これは他の専門分野でも同じです。

  • チラシやロゴは、自作よりもプロのデザイナーに依頼した方が見栄えも訴求力も格段に上がる
  • 法律のことは弁護士、税金のことは税理士
  • 薬のことは、医師よりも薬の専門家である薬剤師が詳しい

たとえば、「自社で作ったチラシが思ったように反響が出なかった。でも、プロのデザイナーに頼んだら色使いや配置の工夫で印象がガラッと変わり、問い合わせが倍増した」といった事例はよくあります。

まさに「餅は餅屋」。ITのことはITのプロに任せるべき理由がここにあります。

対処法。本当に頼れるIT支援の選び方

中小企業が安心してITを活用するためには、以下のような支援体制が必要です。

  1. 仕組みとして整えてくれる(マニュアル化、見える化)
  2. セキュリティやトラブル防止のルール作りができる
  3. 業務全体を理解し、現場に合わせた設計ができる
  4. ツールだけでなく、人・組織の運用も支援できる
  5. 万一の際も復旧・原因究明・報告まで対応できる

たとえば、パスワードの管理一つとっても、「紙に書いて貼っている」「エクセルで共有している」など、リスクのある運用をしている企業は少なくありません。エンジニアはそれらの状況をヒアリングし、パスワード管理ツールの導入、社内ルール整備、ログ監視の仕組みづくりまで含めて対応します。

つまり、単なる“設定代行”ではなく、「仕組みづくり」までできるエンジニアが、真に頼れる存在なのです。

まとめ。頼るべきは「パソコンに詳しい人」ではなく「仕組みを作れるプロ」

ITトラブルは“知識”だけでは防げません。仕組みで防ぐ、見える化して継続できるようにする、万が一にも備える──それがエンジニアの価値です。

「うちは詳しい人がいるから大丈夫」と思っていても、その人が休んだり退職したら?そのとき、会社のIT基盤は崩れませんか?

経営者がITに詳しくないのは当然です。ですが、詳しい人に“なんとなく任せている”状態から、プロと“仕組みを作る”関係に変えるだけで、会社のIT環境は大きく安定し、従業員の生産性も上がります。

株式会社テクノリレーションズでは、社外IT部門として中小企業のITインフラを一から整備・運用までサポートしています。 “なんとなく任せている状態”を脱し、“安心して任せられる体制”を一緒につくっていきませんか?