社員がITを使いこなせない理由とは?中小企業が取り組むべき5つの対策

中小企業の経営者の方から、「業務効率化のためにツールを入れたのに、現場でまったく使われていない」とのご相談をいただきます。

ツール自体は便利なはずなのに、現場で定着しない。そんなとき、問題はツールではなく「使う側」にあるケースが少なくありません。

この記事では、なぜ社員がITを使いこなせないのか、その根本的な原因と、実際に中小企業で効果のあった5つの対策を解説します。

なぜ社員はITを使いこなせないのか?

社員がITを使いこなせない背景には、以下のような問題が重なっています。

  • ITに対する苦手意識(「触ったら壊れる」と思っている)
  • ツール導入の目的が社員に伝わっていない
  • 業務とツールがマッチしていない(使う意味がわからない)
  • 使い方を教えてもらう機会がない、または聞きにくい
  • 会社全体の雰囲気として「ITに関心がない」空気がある

特に中小企業では、一人ひとりのITスキルにバラつきがあり、「できる人だけが使いこなしている」という状態になりがちです。これでは本来の「全体効率化」の目的が達成されません。

IT定着のためにできる5つの解決策

1. ツール導入前に「目的」と「期待効果」を共有する

「なぜこのツールを使うのか」「導入することでどんなメリットがあるのか」を、経営者や管理者の口からきちんと伝えることが重要です。

たとえば「このツールを使えば、毎月の報告作業が1時間短縮されます」「ペーパーレス化が進み、管理がラクになります」といった具体的な話を交えて伝えることで、社員にも「使ってみようかな」という意識が芽生えやすくなります。

2. いきなりフル活用を求めない。まずは一部機能だけに絞る

高機能なツールほど、すべてを一気に使いこなすのはハードルが高くなります。最初は1〜2機能に絞って、「これだけ使えばOK」という明確なルールを作りましょう。

たとえば、Google Workspaceなら「まずはGoogleカレンダーだけ」「資料共有はGoogleドライブで」という形で段階的に広げていくのがおすすめです。

3. マニュアルは紙より動画。社内に“見える”形で残す

操作方法を「教えただけ」では、なかなか定着しません。動画マニュアルや社内用のQ&Aノートなど、いつでも見返せる仕組みを作りましょう。

スマホでも閲覧できる5分程度の動画マニュアルを用意するだけで、「聞きにくい」ストレスが減り、各自で学べる環境が整います。

 
補足
 

Googleスライドを使って「画面キャプチャ+説明文」で簡易マニュアルを作るのもおすすめです。資料を更新すれば自動で全員に反映されるので、管理もラクになります。

4. 社内に“ITサポーター”を育成して配置する

「困ったときに相談できる人が近くにいる」だけで、ツール活用のハードルは大きく下がります。社内でITに比較的詳しい社員を「IT推進係」として育成・任命しておくのも効果的です。

その人が日常的に「こんな便利な使い方ありますよ」と声をかけたり、ミニ勉強会を開いたりすれば、社内全体にIT活用の空気が広がっていきます。

5. 外部のITサポート会社に「導入支援+定着支援」を依頼する

社内で解決できない場合は、外部のITサポートに相談するのも1つの方法です。ただ「設定だけ」ではなく、「現場が使えるようになるまで」支援してくれる会社を選ぶのがポイントです

中小企業に合ったツール選定から、マニュアル作成、社員教育、トラブル対応まで一貫して任せられる会社があると、社内にITが根づくスピードが一気に加速します。

まとめ|「使われるIT」には仕組みと支援が必要

IT導入の成否は、ツールの機能よりも「使いこなす人」が握っています。そのためには、経営層の理解・現場のフォロー・導入の工夫が必要不可欠です。

「せっかく入れたのに使われていない」と感じたときこそ、ツールを見直すのではなく、社内の仕組みや伝え方を工夫するチャンスです。

株式会社テクノリレーションズでは、中小企業に合わせたITツールの選定・導入支援・社内定着サポートをワンストップでご提供しています。「社内の誰もITを使ってくれない…」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。