「社内の申請書類、まだ紙でやりとりしていますか?」
出張申請、経費精算、勤怠申請など、毎日のように行われる事務手続き。これらを紙でやっている中小企業は、いまだ少なくありません。
しかし、紙の申請書には“非効率”がつきものです。印刷・記入・押印・提出・回覧・保管……。手間もコストもかかり、ミスや紛失のリスクもあります。
この記事では、中小企業が無理なく進められる「業務のデジタル化」について、第一歩となる“申請書の電子化”に焦点をあてて解説します。
なぜ紙のままだと問題なのか?
紙の申請書を使い続けることで、次のような問題が起こりがちです:
- 記入ミスや書き直しが発生しやすい
- 出張先や在宅勤務では申請できない
- 申請状況をリアルタイムで把握できない
- 承認者が不在だとフローが止まる
- ファイリング・保管スペースがかさむ
- 紛失・誤送信などのセキュリティリスクがある
業務が「人に依存」し、「時間と場所に縛られる」のが最大のデメリットです。
実際、ある建設業の企業では、現場作業員が紙の申請書を会社に持って帰るためだけに時間を割いていたそうです。デジタル化によってスマホからその場で申請できるようになり、業務の流れが大きく改善されました。
まずはここから!中小企業が取り組みやすい3つのデジタル申請
すべてを一気に電子化する必要はありません。以下のような「よく使う申請書」から始めるのが現実的です:
- 出張・交通費・経費精算:Googleフォームやfreee経費など
- 有給・勤怠の申請:勤怠管理クラウド(例:KING OF TIME、ジョブカン)
- 備品の購入申請・貸出申請:スプレッドシート+通知Botなど
「書式をWeb化する」だけでも、紙の印刷・回覧が不要になり、労力が一気に削減されます。
たとえば、Googleフォームで入力された内容を自動的にスプレッドシートに記録し、SlackやChatworkに通知するだけでも、承認スピードがぐっと向上します。
導入の流れとポイント
デジタル申請を導入する際は、次のようなステップを踏むとスムーズです:
- 対象となる紙の申請書を洗い出す
- 現在の承認フローを整理する
- 無料または安価なツールを試す(Googleフォーム、AppSheetなど)
- 「印刷不要・押印不要」などのルールを周知
- 試行運用し、現場の声を聞きながら調整する
ポイントは「ルールとツールの整備をセットで行う」こと。ツールだけ導入しても、ルールが曖昧だと混乱が起きます。
社内のITリテラシーに不安がある場合は、操作マニュアルを配布する、社内で説明会を開く、などのサポートを加えることで、導入のハードルを下げられます。
よくある不安とその解消法
- 「うちの社員はITに弱くて…」
→ 説明動画や紙マニュアルを用意し、最初はサポートしながら進めるのがおすすめです。 - 「失敗したら戻せるの?」
→ 最初は紙と併用して運用し、問題がなければ完全移行する「二段階導入」がおすすめです。 - 「セキュリティが不安」
→ 権限管理ができるクラウドツールを使えば、アクセス範囲も制限できます。 - 「社内で反発されないか不安」
→ 現場の声を反映しながら“まずは一部だけ”導入し、成功体験を社内に広げていきましょう。
成功のポイント|「小さく始めて、育てていく」
申請書のデジタル化は、「やって終わり」ではなく「育てていく」取り組みです。
特に中小企業では、現場の実情や社内の文化にあわせて柔軟に進めることが重要です。以下のような工夫が効果的です:
- 「使ってみた感想」を月1回の朝礼などで共有
- エクセルで使っていた申請書をそのままベースにする
- 経営者・管理者が率先して使ってみせる
一度にすべてを変える必要はありません。最初は1つの申請書からでも十分価値があります。
まとめ|デジタル申請は“業務改善”の第一歩
紙の申請書にかけていた「手間・時間・保管スペース」を削減できれば、他の業務にも時間を回せるようになります。
すぐに100%のデジタル化を目指す必要はありません。まずは「よく使う申請」から、小さく試して、徐々に広げていくことが成功のポイントです。
株式会社テクノリレーションズでは、中小企業の“業務デジタル化”をサポートしています。「とりあえず紙でやっていたけど、見直したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。