「ChatGPTって、なんだかすごそうだけど…うちみたいな会社でも使えるの?」
そんなご相談を、中小企業の経営者の方からよくいただきます。ニュースやSNSではAIの話題があふれていますが、実際にどんな業務で使えるのか、そして自社でどう活用できるのかまでは見えてこない、という声は少なくありません。
この記事では、ChatGPTをはじめとする生成AIを、実際に中小企業の現場でどう使えるかを、リアルな業務目線で5つに絞って紹介します。特別なITスキルがなくても実行できる内容に絞っていますので、「ちょっとやってみようかな」と思えるきっかけになれば幸いです。
ChatGPTとは?中小企業にこそ向いている理由
ChatGPTとは、OpenAI社が開発した対話型AIツールです。文章の生成や要約、翻訳、アイデア出しなど幅広い業務に活用でき、2023年から企業利用が加速しています。
特に中小企業においては「人手が足りない」「ITに詳しい社員がいない」といった課題を抱えているケースが多く、作業の下支え役としてAIを使うことで、生産性向上につながるという点で非常に相性が良いのです。
また、クラウドベースで利用できるため、専用ソフトのインストールは不要。社員一人ひとりのパソコンやスマートフォンからでも、簡単に使い始めることができます。
中小企業でChatGPTを活かすリアルな活用法5選
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社内マニュアルのたたき台を作る
「新しいルールを作りたい」「作業手順を整理したい」そう思っても、白紙の状態から文章を書くのは意外と時間がかかるものです。そんなとき、ChatGPTに「経理ソフトの入力手順のマニュアルを作りたい」と投げかけると、構成案や項目の見出し、基本的な文面まで一気に提案してくれます。
もちろん最終的な調整は必要ですが、「ゼロから考える手間」が減るだけでも、業務効率は大きく変わります。実際、弊社が支援する建設業のお客様では、AIで作成したマニュアルをベースに社員全員の業務理解が深まり、属人化の解消にもつながりました。
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社外メール・社内通知文の作成サポート
お客様や取引先に送るメール文面、社内へのお知らせや案内文。「なんとなく毎回コピペで済ませているけど、これで大丈夫かな…」という不安を持ったことはありませんか?
ChatGPTに「納品遅延のお詫びメールを書いて」などと指示すると、ビジネス文書の型に沿った文章を作成してくれます。自分で一から悩まなくても、AIがベースを作ってくれることで、スムーズに業務が進みます。
メールの件名案、敬語表現、柔らかめの文体、カジュアルな表現なども選べるため、社風や顧客層に合わせたカスタマイズも可能です。
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議事録・メモの要約作業
Zoomや対面会議の議事録、録音メモ、メモ書きなどを要約したい場面も多いでしょう。ChatGPTは文章を要約したり、ポイントを整理したりするのが得意です。
「この文章をA4一枚にまとめて」といった曖昧な指示でも受け付けてくれるため、細かい操作が苦手でも活用しやすいのが特徴です。箇条書き、見出し付き、敬語変換なども可能です。
録音データを文字起こしツール(Googleドキュメント、Nottaなど)で文章化し、そのままAIに投げると要約・整理・書き換えまでワンストップで行えます。
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テンプレート文・定型業務の準備
見積書の送付メール、採用通知、問い合わせ対応など、パターンが決まっている業務にはテンプレートが欠かせません。ChatGPTに「採用決定の通知文のテンプレートを作って」と頼めば、その業種や文体に合った形で素案を作ってくれます。
作成したテンプレートをGoogleドキュメントにまとめておけば、誰でもすぐに使える業務資産になります。
ある士業のお客様では、顧客対応メールのテンプレートを複数用意することで、対応速度が約1.5倍に向上し、業務時間の削減につながりました。
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業務改善のアイデア出し
「こういうとき、他の会社ではどうしてる?」「もっと効率のいい方法ないかな?」そんなときもChatGPTが活躍します。
たとえば、「紙で運用している出退勤管理をデジタル化したい」と相談すれば、ツール名・ステップ・注意点などを提示してくれます。「話し相手」「アイデア出しの相棒」として使えば、視野が広がり、業務改善のヒントになります。
ブレストのパートナーとして使う企業も増えており、実際に弊社では「ペーパーレス化」「契約書の電子化」「顧客対応自動化」などのテーマで、ChatGPTを社内MTGの補助役として活用しています。
ChatGPTを使うときに注意したいこと
便利な一方で、AIを活用する際には以下の点に注意しましょう。
- 機密情報や個人情報をそのまま入力しない
- あくまで“たたき台”として活用し、最終確認は人間が行う
- 使い方のルールや範囲を社内で定めておく
誤った情報を出すケースもあるため、「判断するのは人間」という基本は忘れてはいけません。実際に間違った情報が生成された事例もあるため、「必ず目を通す・直す」ことが前提になります。
まとめ|小さな活用が、業務改善の第一歩
ChatGPTは、大企業だけのものではありません。むしろ「人手が限られている中小企業」こそ、手間を減らせるAIの恩恵を大きく受けられます。
「全社導入」といった大きな話ではなく、「社長が使ってみた」「事務担当が1件だけ試してみた」そんな一歩からでも十分に意味があります。
株式会社テクノリレーションズでは、ChatGPTを含むAIの導入・運用支援を中小企業向けに行っています。「どこから始めればいいかわからない」と感じている方も、お気軽にご相談ください。