ホームページが『動かない』と嘆く中小企業経営者へ|今すぐできる7つの改善策

「せっかくホームページを作ったのに、問い合わせが1件も来ない…」

これは、私たちが日々中小企業の経営者様とお話する中で、最もよく耳にするお悩みの一つです。ホームページを開設してから数年が経ち、アクセス数はゼロに近く、問い合わせフォームから連絡が入ったことは一度もないという会社は決して珍しくありません。

なぜ、こうした状況が生まれてしまうのでしょうか?
「ウチの会社は特殊だから」「ITに疎いから」「大企業じゃないから」…そう思っていませんか?

実は、問い合わせが来ない根本的な原因は、高度なITスキルや莫大な広告費が不足していることではありません。むしろ「問い合わせが来ない」と悩む企業の多くは、ごく基本的なポイントを見落としているだけなのです。

この記事では、あなたのホームページを「動く営業マン」に変えるために、今すぐ見直すべき7つの基本を徹底的に解説します。単なる一般論ではなく、実際に弊社が関わってきた現場の事例や、改善によって成果が出た会社の具体例も交えながら、具体的な対策を深掘りします。

読み終わる頃には、「うちのホームページでも今すぐできることがある」と気づけるはずです。ぜひご自身のサイトと照らし合わせながら、読み進めてみてください。

基本1:ホームページの『息づかい』、止まっていませんか?

なぜ更新が止まると、お客様は去ってしまうのか?

まず最初に確認すべきは、あなたのホームページが「生きている」ように見えるかどうかです。まるで、事務所に誰もいないような状態になっていませんか?

多くの中小企業のホームページでは、「お知らせ」や「ブログ」のページが開設直後の数記事で止まってしまっています。特に深刻なのは、以下のようなケースです。

  • お知らせが何年も前の日付で止まっている(例:「2019年 夏季休業のお知らせ」が最新記事)
  • ブログの最終更新日が2年以上前
  • 「採用情報」が何年も更新されておらず、募集が終わった職種が載ったままになっている

想像してみてください。あなたがお客様の立場で、2025年にホームページを訪れたとします。トップページに「2019年 夏季休業のお知らせ」と表示されているのを見たら、どう感じるでしょうか?

「あれ?この会社、もう営業していないのかな?」
「ちゃんと事業を続けているのかな?連絡しても返事が来ないかも…」

このように不安を抱き、すぐに別の会社を探し始めてしまいます。これは、せっかくホームページを見つけてくれた見込み客を、みすみす逃していることになります。

更新が途絶えているだけで、企業としての信頼感は一気に下がります。これは特に、顔の見える関係を大切にする中小企業にとって致命的です。ホームページが放置状態だと「この会社は無責任かもしれない」「事業に活気がない」という印象を与えてしまうからです。

実際にあった失敗例と、その教訓

ある地方の老舗建設会社は、ホームページを制作したものの、ブログの更新が途絶えてしまいました。担当者が多忙だったこともあり、2年近く何も情報発信がされなかったのです。

その間、近隣の若手経営者が立ち上げた競合会社は、施工事例をブログで細かく紹介したり、工事の進捗状況を写真付きでアップロードしたりと、積極的に情報発信を続けていました。

結果、お客様がGoogleで「地域名+工務店」と検索した際に表示されるのは、ブログを頻繁に更新している競合サイトばかり。口コミもそちらに集中し、この老舗建設会社は、「ホームページに問い合わせが来ない」どころか「以前より仕事が減った」と嘆くことになってしまいました。

この失敗からわかるのは、ホームページはただ存在するだけでは意味がないということです。絶えず情報を発信し、お客様に「この会社は活気があり、日々動いている」と感じてもらうことが、信頼と集客につながるのです。

改善策:まずは「ちょっとした一言」から始める更新アイデア集

最新情報の更新は、決して難しいものではありません。むしろ「ちょっとした一言」で十分なのです。重要なのは、頻繁でなくても、「継続的に」更新されているという事実です。止まっているホームページより、わずかでも動いているホームページの方が、圧倒的に価値があります。

具体的に、どのような情報を発信すれば良いのでしょうか?以下に、ITが苦手な方でも今すぐできる簡単なアイデアをまとめました。

簡単な日常の出来事

  • 「本日も元気に営業中です。お気軽にお問い合わせください。」
  • 「事務所の観葉植物に新しい芽が出ました。」

社会的な活動

  • 「地域清掃活動に参加しました。」
  • 「地元の子供向けイベントに協賛しました。」

社内のニュース

  • 「新しいスタッフが入社しました!」
  • 「〇〇資格の研修が無事終わりました。」
補足

こうした簡単な投稿でも「この会社は動いているんだな」と、訪問者に安心感を与えられます。週に1回、数行でもいいのです。

さらに、次のような情報もお客様の信頼を深めます。

お客様からの「感謝の声」

  • 「先日お納めした商品が、お客様から『便利になった!』と嬉しいお言葉をいただきました。」

メディア掲載情報

  • 「地元の新聞に弊社の取り組みが掲載されました。」

新商品や新サービスの紹介

  • 「新しいサービス『〇〇』の提供を開始しました。サービス内容はこちらのページをご覧ください。」

ホームページを「生き物」として捉え、会社の「息づかい」を伝えることで、お客様との間に信頼の橋を架けることができます。あなたの会社の日常を、ぜひホームページで発信してみてください。

基本2:面倒くさい!をなくすフォームの魔法

あなたの問い合わせフォームは、お客様のやる気を削いでいませんか?

せっかくホームページを隅々まで見てくれたお客様も、最後の「問い合わせフォーム」が使いにくければ、その瞬間に離脱してしまいます。これは、ゴール目前で転んでしまうようなものです。

あなたのホームページの問い合わせフォームは、以下の問題点を抱えていませんか?

お客様は「ちょっと聞いてみようかな」という軽い気持ちで問い合わせフォームにアクセスします。しかし、入力する項目が多すぎると、その時点で「面倒くさい」と感じてしまい、諦めてしまいます。この「面倒くさい」という感情は、想像以上に強力な離脱の要因となります。

特に中小企業では、問い合わせ件数そのものが少ないため、一件を逃すことのダメージは非常に大きいのです。問い合わせフォームは、いわばお客様と最初に出会う「会社の玄関」です。この玄関がごちゃごちゃしていたり、鍵がいくつもかかっていたりしたら、お客様は入ってきてくれません。

必須項目が多すぎる

住所、FAX番号、生年月日など、今すぐ必要のない情報まで入力させようとしていないか?

スマホで入力しにくい

文字が小さく、入力欄が狭い、ボタンが押しにくいなど、スマホユーザーへの配慮がない。

エラー表示が分かりにくい

「エラーが発生しました」としか表示されず、どこを直せば良いか分からない。

個人情報保護方針の同意ボタンが見つけにくい

必須にもかかわらず、小さく表示されていたり、チェックボックスが見つけにくかったりする。

問い合わせ手段はフォームだけじゃない!お客様の状況に合わせた選択肢を

また、問い合わせ手段はフォームだけではなく、お客様がより気軽に連絡できる方法も用意しておきましょう。

電話番号

必ずクリックして発信できるリンクを設置しましょう。特に、急いでいるお客様には欠かせません。

LINE公式アカウント

最近は「メールは面倒だけどLINEなら気軽に送れる」という声が急増しています。お客様は普段使い慣れているツールで連絡することを好みます。

SNSのダイレクトメッセージ(DM)

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSアカウントがある場合は、DMでの問い合わせも受け付ける旨を明記しましょう。

成功事例:問い合わせゼロから月に5件へ

ある薬局は、何年もホームページからの問い合わせがゼロでした。そこで、従来の複雑なフォームを、「名前」「メールアドレス」「相談内容」の3項目に限定し、同時に「LINEで相談する」というボタンを設置しました。

その結果、問い合わせがゼロだった状況から、月に5件以上入るようになったのです。特にLINE経由での問い合わせは「仕事の休憩中にサッと送れる」「電話やメールより気軽に相談できる」と好評でした。フォーム改善一つで、これほど大きな変化が生まれるのです。

基本3:見つけてもらえなきゃ始まらない!

あなたのホームページは「検索」という名の名刺配りをしていますか?

ホームページを持っていても、誰にも見つけてもらえなければ問い合わせは発生しません。これは、名刺を配らずに営業活動をしているようなものです。多くの中小企業は「公開しただけで満足」してしまい、SEO(検索エンジン対策)をほとんど行っていません。

「ウチは地域密着だからSEOなんて関係ない」と思っていませんか?実は、これこそが大きな間違いです。多くのお客様は「地域名+サービス名」で会社を探します。例えば、東京都世田谷区で税理士を探している人は、「世田谷区 税理士」と検索します。あなたのホームページがこの検索キーワードで上位表示されなければ、お客様に見つけてもらえるチャンスは永遠に訪れません。

改善策:難しくない!今すぐできる検索対策3つのステップ

難解なSEOテクニックは必要ありません。まずは、以下の3つのステップを実行するだけで、検索結果の露出は大きく変わります。

  1. ホームページのタイトルと説明文に地域名を含める

    これは、あなたのホームページが何者であるかをGoogleに正確に伝えるための、最も基本的な名刺交換です。 例:「小田原の税理士なら〇〇事務所」 「神奈川県箱根町で実績多数。〇〇工務店がお客様の理想の家づくりをサポートします。」

  2. 事例紹介やブログ記事に「地域名+サービス内容」を自然に書き込む

    「どんなお困りごとを、どこで解決できるのか」を具体的に書くことで、お客様の検索ニーズに直接応えられます。 例:「平塚市での飲食店開業をサポートしました」 「鎌倉市のお庭の手入れもお任せください」

  3. Googleビジネスプロフィールに登録する

    これは、Googleマップに自社の情報を掲載するための無料ツールです。営業時間、住所、電話番号、写真などを登録するだけで、検索結果の目立つ位置に表示されるようになります。「近くの〇〇」と検索するユーザーに、確実にアピールできます。

Googleビジネスプロフィールは、いわば「デジタル版の看板」です。「近くの〇〇」と検索する人は、すでに「行きたい」「相談したい」という強い気持ちを持っています。この「今すぐ」のニーズに応えることが、問い合わせ増加の鍵となります。

補足:Googleビジネスプロフィールの重要性

「近くの工務店」「〇〇駅 歯医者」といった検索は、そのまま来店や問い合わせにつながることが非常に多いです。Googleビジネスプロフィールは、この「今すぐ行きたい・相談したい」というニーズに直接応えることができる、最も効果的なツールの一つです。まだ登録していない場合は、今すぐ登録することをお勧めします。

基本4:スマホユーザーをガッカリさせていませんか?

なぜスマホ対応が「当たり前」になったのか?

いまやインターネット利用者の7割以上がスマートフォンからアクセスしています。これは、あなたが名刺を配る相手のほとんどが、スマホを使っているということです。にもかかわらず、中小企業のホームページの中には、スマホで見ると文字が小さく、画像が崩れ、操作しにくいまま放置されているケースが少なくありません。

あなたのホームページは、スマホで見たときに以下の問題はありませんか?

  • 文字が小さすぎて読めない
  • 写真や表が画面からはみ出している
  • ボタンやリンクが小さく、指で押しにくい
  • 横スクロールしないと全体が見えない

こうした状態では、せっかくアクセスしてもらっても、わずか数秒で離脱されてしまいます。ホームページが「問い合わせにつながらない」のは、内容以前に「見づらさ」でユーザーをふるい落としているのかもしれません。

改善策:「レスポンシブデザイン」を導入する

ホームページがスマホに対応しているかどうかは、「レスポンシブデザイン」が導入されているかどうかが鍵になります。これは、PC、スマホ、タブレットなど、デバイスの画面サイズに合わせて自動的に最適なレイアウトに調整される仕組みです。まるで、どんなサイズの鏡にも自分の姿をきれいに映してくれる魔法の鏡のようなものです。

確認方法:
ご自身のスマホでホームページを開き、以下の点をチェックしてみましょう。

  1. 文字や画像が読みやすい大きさになっているか?
  2. メニューボタン(三本線マーク)をタップしたときに、ちゃんとメニューが表示されるか?
  3. 電話番号をタップすると、電話をかける画面に切り替わるか?

もし、古いホームページでレスポンシブデザインが導入されていない場合は、リニューアルを検討する必要があります。最近の制作会社であれば、レスポンシブデザインは標準で対応しているはずです。

基本5:この会社なら安心!を伝えるには?

お客様が問い合わせる「最後の決め手」とは?

最後に欠かせないのが「信頼感の醸成」です。お客様が問い合わせをするかどうかは「この会社に任せて大丈夫か」という感覚で決まります。しかし、多くの中小企業のホームページは、以下の情報が不足しています。

代表者の顔が見えない

「どんな人がやっている会社なのか?」が分からず、不安を感じる。

会社概要が不十分

所在地が「本社」としか書かれていなかったり、設立日や資本金が不明だったりする。

実績が不明確

「これまでの実績」として具体的な事例がほとんど掲載されていない。

これでは、どんなにサービス内容が素晴らしくても、安心して問い合わせすることができません。

改善策:お客様に安心を届ける掲載情報

信頼を高めるために、お客様が「この会社なら安心だ」と思える情報を積極的に掲載しましょう。

代表者やスタッフの顔写真と紹介

「顔が見える」ことは、何よりも信頼につながります。これは、初対面の人と話すときに、相手の表情や雰囲気が分かると安心するのと同じです。「こんな人が対応してくれるんだ」という安心感を与えましょう。

お客様の声や事例紹介

「この会社に頼んだら、こんな風に解決できた」というお客様の声や、具体的な事例(ビフォーアフター写真、お客様の声)を掲載しましょう。これは、最高の営業ツールになります。

許認可や資格の情報

事業を行う上で必要な許認可や、スタッフが取得している専門資格を掲載することで、専門性をアピールできます。

メディア掲載実績

テレビ、雑誌、新聞などに掲載された実績があれば、積極的に掲載しましょう。客観的な評価は信頼感を大きく高めます。

基本6:サービスの『価値』を「お客様目線」で伝えていますか?

「私たちができること」から「お客様が得られるメリット」へ

多くのホームページでありがちなのが、「〜のサービスを提供しています」「〜の技術を持っています」といった、売り手目線での情報発信です。しかし、お客様が本当に知りたいのは「そのサービスや技術が、自分にとってどんな良いことがあるのか?」です。

例えば、ITに不慣れな経営者の方に「最新のクラウドERPを導入することで、業務の最適化とROIの最大化を実現します」と説明しても、正直「?」となってしまいます。お客様が知りたいのは「なんだか難しそうだけど、うちの会社で使うと、どんな良いことがあるんだろう?」という答えです。

改善策:専門用語を「あなたの言葉」に置き換える

お客様の心に響く言葉で伝えるには、専門用語を避け、具体的なメリットに置き換えることが重要です。以下の例を見てみましょう。

  • 「最新のクラウドERPを導入することで、業務の最適化とROIの最大化を実現します」 →「これまで手作業でやっていた書類作成や経理業務が、ボタンひとつで完了するようになります。社員の残業が減り、本業に集中できる時間が増えます。」
  • 「高機能なセキュリティシステムを構築します」 →「会社のパソコンがウイルスに感染する心配がなくなります。大切な顧客情報が守られ、安心して仕事ができます。」

このように、サービスや技術そのものよりも、それがお客様の抱える「困りごと」をどう解決し、「どんな未来」をもたらすのかを具体的に伝えることが大切です。ホームページの文章を見直して、専門用語を「お客様が嬉しくなる言葉」に書き換えてみましょう。

基本7:お役立ち情報で『頼れる相談相手』になっていますか?

お客様が「相談したい!」と思う瞬間の作り方

問い合わせを増やすためには、お客様に「この会社に相談したい」と思ってもらうことが何よりも重要です。そのために有効なのが、「お役立ち情報」の発信です。

たとえば、税理士のホームページであれば「個人事業主が経費にできるもの・できないもの」、工務店であれば「地震に強い家にするために知っておきたい3つのポイント」といったブログ記事を掲載します。

このような情報発信は、お客様に「この会社は専門知識が豊富で、信頼できそうだ」という印象を与えます。さらに、お客様が抱える「ちょっとした疑問」を解決してあげることで、あなたの会社は単なる売り手ではなく、「頼れる相談相手」というポジションを確立できるのです。

改善策:まずは「お客様からの質問」をメモする習慣から

「どんなお役立ち情報を書けばいいのか分からない…」という方もいるかもしれません。一番簡単な方法は、お客様からよく聞かれる質問や、仕事の現場で「これ、知っておくといいのにな」と思うことをメモすることです。

例えば、

  • 「ホームページの更新って、自分でもできるんですか?」
  • 「見積もりって、頼んだら料金が発生しますか?」

といった、お客様が抱える素朴な疑問に答える記事を書くだけでも、大きな価値になります。こうした記事が積み重なることで、ホームページは「ただの会社案内」から、「いつでも開いて相談できる専門家」へと進化するのです。

まとめ|基本を直せばホームページは『動く営業マン』に変わる

明日からできることを見つけ、ホームページを最強の営業マンへ

問い合わせが来ない原因は、決して高額な広告費でも、難しいデザインでもありません。多くの場合は、今回ご紹介した7つの基本が欠けているだけです。

  1. 更新が止まっていないか?
  2. フォームが使いやすいか?
  3. 検索で見つけてもらえるか?
  4. スマホで快適か?
  5. 信頼が伝わるか?
  6. 価値を「お客様目線」で伝えているか?
  7. お役立ち情報を発信しているか?

これらを順番に見直すだけで、あなたのホームページは再び「営業マン」として働き始めます。

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