中小企業の経営者の方から、「パソコンやソフトウェアの管理が曖昧になっている」というご相談をよくいただきます。
しかし、IT資産の管理は、会社を守るために欠かせない業務です。管理が不十分だと、セキュリティリスクの増大、無駄なコストの発生、業務効率の低下など、さまざまな問題につながります。
この記事では、なぜ中小企業にIT資産管理が必要なのか、その背景と重要性について詳しく解説します。また、実践方法の一例として、簡単に始められるツールについても軽くご紹介します。
なぜIT資産管理が重要なのか?
IT資産管理とは、会社で使用しているパソコン、サーバー、プリンター、スマートフォン、ライセンス、クラウドサービスなどを一覧化・把握し、適切に管理することを指します。
中小企業でも、以下の理由からIT資産管理は必要不可欠です。
- セキュリティリスクの把握と対策:古い端末や未更新ソフトウェアの存在を可視化し、対策できる
- コストの最適化:不要な機器や契約を洗い出し、ムダな支出を削減できる
- 業務効率の向上:どこに何があるかが明確になり、トラブル対応や資産更新がスムーズになる
さらに、医療機関などを対象とした「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(GL6.0)」でも、IT機器・ソフトウェアの管理台帳作成が推奨されています。これは、医療分野に限らず、あらゆる業種でIT資産管理が求められる時代が来ていることを意味しています。
IT資産管理を怠るとどうなるか?
IT資産管理が行われていないと、以下のような問題が発生するリスクがあります。
- どの機器が古く、セキュリティリスクが高いかわからない
- 誰がどの端末を使っているか不明になり、情報漏洩リスクが高まる
- ライセンス期限切れに気付かず、法的リスクが発生する
- 故障や障害が起きた際に、迅速な対応ができない
これらはすべて、会社の信頼低下や損害賠償リスクに直結する問題です。
IT資産管理の基本ステップ
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資産リストを作成する
すべてのIT資産について、管理番号、資産名、種類、購入日、使用者、設置場所、状態、備考などの項目を整理しましょう。
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情報を定期的に更新する
新しい資産を導入したらすぐにリストに追加し、使用者や設置場所の変更があった場合も速やかに反映させます。
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ルールを定めて社内に周知する
資産の登録・更新ルール、使用ルール、廃棄ルールなどを明文化し、全社員に周知しましょう。
資産管理に便利なツール
手軽に始めるなら、ExcelやGoogleスプレッドシートでも管理は可能です。ただし、入力ミスや更新漏れが起きやすいため、効率的な方法を検討するのもおすすめです。
たとえば、AppSheetのようなノーコードアプリ開発ツールを使えば、スマホから簡単に資産情報を登録・更新できる専用アプリを作ることも可能です。より柔軟でミスが少ない管理体制を構築できます。
資産が増えてきたら、専用ソリューションの導入も検討を
最初は簡易的な管理方法でも問題ありませんが、資産の数が増えてくると手作業での管理には限界が訪れます。更新漏れや情報のズレが発生しやすくなり、管理負担も増大します。
そのため、一定数以上のIT資産を抱えるようになった場合は、専用のIT資産管理ソリューションの導入を検討することをおすすめします。
どのソリューションが自社に最適か分からない場合は、株式会社テクノリレーションズまでお気軽にご相談ください。ニーズに合わせた最適なご提案をさせていただきます。
まとめ|資産管理は未来への投資
IT資産管理は単なる"持ち物リスト"ではありません。会社を守り、成長させるための重要な基盤です。
日々の業務に追われる中でも、IT資産の"見える化"と"適切な管理"を進めることは、将来のリスクを大きく減らすことにつながります。
株式会社テクノリレーションズでは、中小企業向けにIT資産管理のご支援や、AppSheetを活用した管理アプリの導入サポートも行っています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。