「うちのパソコン、もう7年くらい使ってるけど、まだ使えるし…」
中小企業の現場では、こうした声をよく耳にします。しかし、業務用PCは「壊れるまで使う」のではなく、「パフォーマンスを維持するために計画的に買い替える」ことが、実は大きなコスト削減につながります。
この記事では、PCの寿命や買い替えのタイミング、長く使いすぎることのリスク、そして中小企業が無理なく資産管理を行うためのポイントを解説します。
なぜ“買い替え時期”が重要なのか?
PCは業務効率を左右する「生産性の柱」です。動作が遅かったり、フリーズしたりすると、そのたびに業務が止まり、ストレスも溜まります。
実際に、1台のPCの動作遅延によって、毎日10分のロスが発生すると、年間で約40時間=1人の労働時間1週間分が失われます。
また、古いOSやハードウェアはセキュリティリスクも高く、サポート切れや脆弱性への対応が間に合わないこともあります。
PCの寿命は何年?「5年」を目安に考える理由
業務用PCは一般的に「5年を目安」に設計・提供されていることが多いです。これは次の理由からです。
- メーカー保証が「5年間」までしか提供されないことが多い
- OSのバージョン更新が5年ごとに切り替わる傾向がある
- メモリ・ストレージ性能が5年で時代遅れになる
もちろん、使用頻度や扱い方によって前後しますが、「動く=使える」ではないことに注意が必要です。
長く使いすぎると起こる3つのリスク
1. パフォーマンス低下による生産性の損失
業務ソフトやクラウドサービスの進化に、古いPCがついていけず、起動・動作が遅くなる一方です。
2. セキュリティリスクの増大
OSのサポートが終了したPCを使い続けると、ウイルス感染や情報漏洩のリスクが格段に高まります。
特に、現在多くの企業で利用されている「Windows 10」は、2025年10月14日でサポートが終了します。
「まだ使えるから」と先延ばしにせず、2025年中にはWindows 11への移行やPCの買い替えを検討しましょう。
「Windows 10」のサポート終了日時は米国太平洋標準時(PT)で設定されており、日本時間では2025年10月15日(水)17時に相当します。したがって、日本国内では10月15日夕方までサポートが継続されることになります。
3. 突然の故障による業務停止
HDD・電源・マザーボードの経年劣化により、突然のシャットダウンや起動不能が発生することも。業務が止まれば顧客対応にも影響します。
中小企業が無理なく買い替えるための工夫
1. 購入年度の記録と5年サイクルのリスト化
全PCの購入日・型番・スペックを一覧管理し、買い替え計画を立てるだけでも、先を見通した資産管理が可能になります。
2. 一度に買い替えず、分割での導入
「一気に全部替えるのは無理…」という場合、3年目・4年目あたりから少しずつ入れ替えると、費用も分散されます。
3. リースやレンタルも検討
まとまった資金が不要なリース契約や、必要な期間だけ使えるPCレンタルも選択肢の一つです。税務処理がしやすくなるメリットもあります。
4. データ移行の準備を日頃から
買い替え時のネックになるのが「データの引っ越し」。GoogleドライブやOneDrive、NASを使ったクラウド運用で日頃から分散管理しておくと、いざというときもスムーズです。
資産管理を“仕組み化”するには
ExcelやGoogleスプレッドシートで管理している企業も多いですが、社員が増えてくると手間がかかるのも事実です。
そこでおすすめなのが、IT資産管理ツールの活用です。フリーソフトやクラウド管理サービスを使えば、機器の状態・ライフサイクルを一元管理できるようになります。
たとえば「AssetView」「SKYSEA Client View」「Google Workspaceのデバイス管理機能」なども一例です。
まとめ|PCは「使える」ではなく「使い続けてよいか」で判断を
PCは高価な設備投資ですが、「壊れてから考える」では業務のリスクになります。
買い替えの目安は“5年”。それを超えても使えることもありますが、パフォーマンスやセキュリティの観点からは定期的な見直しが必要です。
株式会社テクノリレーションズでは、中小企業のIT環境を「計画的に整える」お手伝いをしています。資産管理や買い替え相談もお気軽にどうぞ。