中小企業の経営者の方から「古いPCやサーバーが放置されたままになっているけど、何から手をつければいいかわからない」とのご相談をいただくことが増えています。
PCやサーバーは、購入後5年以上が経過すると様々なリスクが高まります。しかし、業務に直結しないからと後回しにしてしまい、トラブル発生後に慌てて対応するケースも少なくありません。
この記事では、古いPC・サーバーを放置するリスクと、中小企業でも失敗しない買い替え・処分の考え方を、わかりやすくご紹介します。
古いPC・サーバー放置が招く3つのリスク
古いIT資産をそのまま放置しておくと、以下のようなリスクが高まります。
- 情報漏えいのリスク(サポート終了に伴う脆弱性)
- 業務停止のリスク(突然の故障やデータ消失)
- コスト増加(修理・対応コストの肥大化)
特にOSやソフトウェアのサポート切れは、サイバー攻撃の入り口になるため、経営リスクに直結します。
よくある放置パターン事例
以下は、実際の中小企業で見られる典型的な放置事例です。
- 会計担当者が使っていたPCが倉庫に放置(中には顧客名簿や経理データが残ったまま)
- 元管理者しか使えない旧サーバーが停止されず、電気代だけ発生
- 「何かあったときの予備」として、誰も管理していないPCやルーターを保存
これらはすべて、見えないリスクを抱えている状態です。気づかず放置することで、情報漏えい・業務停止・違法処分といった事態に繋がる可能性があります。
中小企業が失敗しない買い替えステップ
では、失敗しない買い替えにはどのようなステップが必要でしょうか?以下の流れを意識しましょう。
- IT資産棚卸しを行う(PC・サーバー・ネットワーク機器など)
- 耐用年数の目安を確認し、入れ替え計画を立案
- 必要ならリース・レンタルを活用して初期コストを抑制
- データ移行計画を立て、トラブルなく切り替え
- 古い資産は安全に処分
重要なのは「壊れてから」ではなく、計画的に動くことです。結果として、トータルコストも抑えられ、突発的なリスクも減少します。
知らないと危険!安全な処分方法と失敗事例
処分時のよくある失敗として、以下が挙げられます。
- 「初期化したから大丈夫」と思い込み、データが残ったままリサイクル
- 社員が独自にフリマアプリなどで売却し、情報漏えい
- 許可を得ていない処分業者に依頼し、違法処分トラブルに巻き込まれる
安全な処分には、データ消去証明書付きの専門業者への依頼が必須です。弊社でも信頼できるパートナー企業をご紹介しています。
簡単にできる!IT資産管理ツールの紹介
IT資産の管理は難しそうに感じるかもしれませんが、最近では中小企業でも手軽に使えるクラウド型のIT資産管理ツールがあります。
- 無料で始められるGoogleスプレッドシートでの管理
- Asset PandaなどのIT資産管理クラウド
- 弊社が推奨する簡易アプリ(AppSheet)での運用
まずはスプレッドシートから始め、必要になったら専用ツールに移行する方法もおすすめです。
実際に起きた!IT資産放置によるトラブル事例
弊社にご相談いただいたケースでは、以下のような事例がありました。
ある中小企業では、10年前に購入した社内サーバーが、特に不具合もなく稼働していたため、そのまま使用を続けていました。しかし、ある日突然、ハードディスクが物理故障。業務データのバックアップも古く、復旧には数週間を要しました。
その間、請求書や受注処理ができず、数百万円規模の売上機会を逃す結果に。
この企業では「まだ動いているから大丈夫」という思い込みが、重大な損失を招きました。
経営視点で考えるIT資産の「投資」としての価値
多くの中小企業では、PCやサーバーの買い替えを「消耗品」としてしか見ていない場合が多いですが、実はIT資産は経営資産です。
例えば、最新のPCを導入すれば、社員の作業効率が上がり、結果として人件費削減につながります。また、クラウド型システムへの移行により、システム管理コストを削減し、柔軟な働き方を実現することもできます。
経営者として「壊れてから」ではなく、「経営戦略としての更新投資」を意識することが、リスク回避と業務効率化の両立につながります。
クラウド活用・仮想化で「脱・古い資産」へ
近年では、オンプレミスサーバーからクラウドへの移行、またはサーバー仮想化を活用することで、物理機器への依存を減らす企業が増えています。
クラウド移行のメリットは、以下の通りです。
- ハードウェア故障リスクの低減
- 保守・管理コストの削減
- 災害時のリモート対応・業務継続が容易に
特に中小企業にとって、クラウドは「大企業だけのもの」ではなく、今や経営を守るための必須選択肢です。
まとめ|IT資産は「攻め」と「守り」の両方を支える経営インフラ
PC・サーバーの買い替えや処分は、単なるコストではなく、会社を守り、成長を支える重要な経営施策です。
まずは、目の前にある古いIT資産をリストアップし、状況を「見える化」することから始めましょう。見えれば、次のアクションが決めやすくなります。
株式会社テクノリレーションズでは、中小企業向けにIT資産管理のスタートアップ支援、買い替え計画の策定、安心・安全な処分支援をワンストップで提供しています。お悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。