「セキュリティ対策って、大企業だけの話でしょ?」 そんなふうに思っていませんか?
実は、今もっともサイバー攻撃の標的になっているのは、中小企業です。
取引先から預かった顧客情報や、クラウド上の社内資料など、狙われるポイントは年々増加。 それに対して、「対策の仕方がわからない」「何から始めればいいかわからない」と不安を感じている経営者も多いのではないでしょうか。
この記事では、IPA(情報処理推進機構)が発表した『情報セキュリティ10大脅威 2025』のうち、中小企業に関係が深い5つの脅威にしぼって、どんなリスクがあり、どう備えればよいかをわかりやすく解説します。
1.ランサムウェアによる被害|ある日突然、社内のデータが見られなくなる
ランサムウェアとは、ウイルスの一種で、感染したパソコンのデータを勝手に暗号化し、「元に戻したければ金を払え」と脅す攻撃です。
最近では、暗号化に加えて「盗んだデータを公開するぞ」という二重脅迫型も増えており、金銭だけでなく信用問題に発展するケースもあります。
中小企業で起きた例
ある建設会社では、業務システムの脆弱性を突かれてランサムウェアに感染。顧客リストが暗号化され、業務が1週間止まりました。
今すぐできる対策
- 定期的なバックアップ(クラウドと外付けの両方)
- 不審な添付ファイル・URLは絶対に開かない
- セキュリティソフトを常に最新に保つ
2.サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃|「取引先経由」でウイルス侵入
直接狙うのではなく、セキュリティの甘い取引先を経由してウイルスを送り込む攻撃です。 とくに中小企業が大手とやり取りしている場合、「あなたの会社が入り口になる」リスクがあります。
中小企業で起きた例
下請けの印刷会社が感染し、その納品データを介して大手企業のシステムにウイルスが侵入。納期遅延と信用失墜に繋がりました。
今すぐできる対策
- 社内のPCや共有フォルダへのアクセス権を最小限に
- 取引先とのデータ受け渡しはクラウド共有へ切替
- 自社が攻撃経路とならないよう、定期的な点検を
3.内部不正による情報漏えい|“うっかり”と“故意”の両方に注意
実は意外と多いのが、社員による情報漏えいです。 特に中小企業では「教育が行き届いていない」「誰が何を見ているか管理されていない」ことでリスクが高まります。
中小企業で起きた例
元社員が、退職後もGoogleアカウントにアクセスできたまま機密情報を持ち出していた、というケースがあります。
今すぐできる対策
- 退職者のアカウント削除を徹底
- 情報共有フォルダのアクセス権は定期的に見直し
- 私物USB・個人スマホでのデータ保存は禁止
4.標的型攻撃による機密情報の搾取|メール添付が“入口”になる
特定の企業を狙い、実在するように見せかけたメールを送り、添付ファイルやURLからマルウェアを感染させる手口です。
中小企業は「対策していない」「セキュリティが甘い」と思われがちで、攻撃対象になりやすくなっています。
今すぐできる対策
- 「請求書です」などの件名には要注意
- 差出人が知っている人でも油断しない
- メール内のファイル・リンクは必ず確認してから開く
5.ゼロデイ攻撃|「アップデート前」を狙われる
ソフトウェアの脆弱性が発見され、開発元が対応する前に攻撃されるケースです。 「まだ修正されていない」=「誰も守ってくれない」タイミングを狙うため、防ぎにくいのが特徴です。
今すぐできる対策
- 自動更新をオンにして常に最新版を保つ
- 使っていないソフトは削除しておく
- 公式以外のソフトや拡張機能はなるべく使わない
まとめ|小さな対策が「大きな事故」を防ぐ
サイバー攻撃の多くは、「まさかうちが?」という中小企業を狙ってきます。 しかし、その多くは基本的な対策で未然に防ぐことができます。
今回紹介した内容は、専門的な知識がなくても今すぐできるものばかりです。
社員教育、アクセス制限、バックアップ、アカウント管理…。どれかひとつでも、今日から見直してみてください。
株式会社テクノリレーションズでは、こうしたセキュリティ対策をわかりやすくご支援しています。「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひご相談ください。